『不動産業界はアナログ業界だ』
そんな声を聞いたことはないでしょうか?
実際、不動産業界に身を置く私も、いつまでもアナログな業界だなぁと思います。
本記事では、
・どうしてアナログなのか?
の2点を中心に解説します。
どんな所がアナログ?
基本連絡は電話
不動産業界では、
連絡は基本的に電話で行うことが多いです。
業者間の連絡はもちろん、
お客様とのご連絡についても、まず電話をかけることが多いです。
不動産会社の忙しい営業マンは、日々、1日に何十件もの電話対応をしています。
書類のやりとりが多い
紙ベースのやりとりが多いことも、
アナログな点の1つです。
- 物件の図面
- マンションの管理規約
- 重要事項説明書
- 媒介契約書
- 売買契約書 等
不動産業界では多くの紙ベースの書類のやり取りがあります。
また、いまだにFAXを使用することもしばしば…
このようにペーパーレス化が進んでいない点も、
不動産業界がアナログと言われる理由です。
オンラインで完結できないビジネス
不動産業界は、オンライン上で取引を完結させることが難しいです。
内見の際は現地に行って実物を見ます。
重要事項説明は、
多くの場合対面式で行います。
不動産業界はこのようにオンラインで完結せず、
営業マンとお客様が直接会うことが前提となっています。
こういった点もアナログだといえるでしょう。
なぜアナログなのか?
では、不動産業界が未だにアナログな手法をとっているのはなぜなのでしょうか。
高額な買い物だから
不動産は高額な取引です。
価格は売買の場合、
安くても数百万円~高いものは1億円以上にもなります。
賃貸の場合でも、
家賃はもっとも高額な固定費であり、
毎月数万〜数十万以上を支払うことになります。
このように高額な取引だからこそ、
- 現地で内見
- 書面で契約書にサイン・押印
- 対面での重要事項説明
等をおこない、
トラブルやお客さまの不利益が生まれないようにしています。
法令等が複雑だから
不動産にかかわる法令や制限は非常に数が多いうえ、複雑です。
(宅建試験の勉強をしている方はお分かりかと思います)
一般の方が不動産の特徴・性質や
法令・制限の全てを正しく把握することは不可能でしょう。
そのため不動産業者は、プロとして
対象の不動産にかかる法令・制限等を説明できなければなりません。
説明するために、
- 市役所窓口に行って法令・制限の内容の確認
- 重要事項説明書(紙ベース)の作成
- 対面での重要事項説明
を行います。
中小・地場系不動産業者の存在
2019年時点で日本には不動産会社が12万社以上あるそうです。
全国にあるコンビニが3万店と言われているので、
不動産会社はコンビニよりはるかに多いことになります。
そしてそのほとんどが中小・零細企業です。
中には小さい事務所で、
ご高齢の方が1人〜数人で営業しているような地場系の会社もあります。
実際、ご高齢の地場系の不動産業者さんと取引をしたことがありますが、
私が送ったPCメールの添付ファイルの印刷ができないとのことで、
全ての書類をFAXでお送りしました(笑)
(※電話対応などは親切丁寧な方でした!)
上記のような昔からやっている業者さんも多くいるため、
昔からのアナログな慣習が残り、
業界全体のデジタル化が進んでいないとも考えられます。
徐々にデジタル化・IT化の動きも…?
そんな未だアナログな不動産業界ですが、
近年では、デジタル化の動きも見られます。
オンライン重説(IT重説)
『オンライン重説』(IT重説)とは、簡単に言えば
ビデオ通話で行う重要事項説明のことです。
これまでは賃貸物件の取引でのみ認められており、
売買では対面での重要事項説明がマストでした。
しかし新型コロナウイルスの影響もあってか、
2020年10月に国交省から、売買物件においてもIT重説を認める方針が発表されました!
【オンライン重説のメリット・デメリットについてはこちら↓】
【オンライン重説の流れ・行う際の注意点はこちら↓】
オンライン内見
現在賃貸物件において取り入れている会社が見られますが、
スマホ・PCを使った、オンラインでの内見が増えています。
新型コロナウイルスの影響もあり、
今後売買においてもさらに広まっていくのではないでしょうか。
まとめ
〇でも少しづつ”デジタル化”も進んでいる
やはり、不動産業界はまだまだアナログ業界です。
デジタル化の動きも見られます。
あとは、この業界全体の流れに対して大手の不動産会社だけでなく、
中小や地場系の不動産会社がどこまでついていけるかが、
業界全体のデジタル化のカギになりそうですね!
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