不動産の賃貸借契約・売買契約に先立って必要な「重要事項説明(重説)」。
この重説は、国家資格者である宅地建物取引士(宅建士)のみが行えます。
また説明に誤りや不備があれば、罰則の対象になり得る、責任重大な仕事です。
では、宅建士であれば、
たとえパート・アルバイトであっても重説はできるのでしょうか。
本記事では、パート・アルバイトが行う重要事項説明について、
- 法律的に可能なのか
- 能力的に可能なのか
- 重説アルバイトのニーズ・求人はあるのか
を解説します。
法律的に可能なのか
法律的にはOK!
早速回答ですが、宅建業法的には、
パート・アルバイトの宅建士が重説をすることは認められます。
重説を行う宅建士については、雇用形態の制限がないため、
正社員、契約社員、パート、アルバイト問わず、重説ができます。
そのため、パート・アルバイトとして不動産会社に勤務し、
重説を行うことは、法律上認められています。
能力的には可能なのか
未経験でいきなりは難しい
では「法律的にOKでも、能力的に可能なのか?」という疑問が生じます。
もちろん、個人の知識・経験によりますが、パート・アルバイトに限らず、
未経験の宅建士がいきなり重説をするのは難しいかと思います。
というのも、宅建試験の勉強等で「知識を得る事(≒インプット)」と、
「説明をすること(≒アウトプット)」は別物だからです。
(実際、私も宅建を持っていますが、初めて自分で重説をするまでに、
何度も先輩社員の重説を聴いて勉強しました。)
実務経験の無い宅建士が重説をするためには、
事前に経験のある宅建士の重説を聴いて参考にするのが望ましいです。
重説アルバイトのニーズはあるのか
重説メインのパート・アルバイトは少ない
実際のところ、重説がメインの仕事のパート・アルバイトの求人は多くはないです。
理由は下記のように、いくつか考えられます。
- 各物件の担当社員が重説を行った方がスムーズ
- 不動産会社には既に宅建士がいる(5人に1人以上の割合での在籍がマスト)
- 重説よりも、利益につながる営業に人員を割きたい
そのため、パート・アルバイトで重説を行う求人があるとすれば、
「営業や事務として採用され、必要に応じて重説をする」
というパターンが現実的で、実際に多いケースかと思われます。
つまり、重説がメインの仕事となるケースは少ないでしょう。
しかし例外として、
不動産の繁忙期である3月・9月ごろには、
短期限定の“重説アルバイト”の募集求人が一定数あるようです。
結論:法的にはOK!あとは実力と求人次第
前述のとおり、宅建業法的には、
パート・アルバイトによる重要事項説明は可能で、問題ありません。
あとは、重説をするにあたっての知識・経験をある程度積めば、
能力的にも重説が可能になるでしょう。
ただし、求人に関しては、”重説専門”というのは珍しいケースで、
- 営業or事務として働きながら、必要に応じて重説をする
- 繁忙期限定の短期重説アルバイト
というのが現実的な働き方になります。
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